Monday, May 16, 2011

ある中学生から

愛知県の中学生が書いてくれたレポートです。

感動しました。日本の未来は明るいです。

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~大震災を通して、国際協力を考える~    

    テーマ設定の理由
僕は、これまでの2年間、多くの国際問題の中から、「世界の飢餓」について追究してきました。平和な日本では、実感できないことですが、世界には、多くの問題が存在します。紛争、内戦、干ばつによる飢餓や、サイクロン、津波、地震など自然災害による貧困、エイズなどの病気です。その中で僕は、子ども兵士や、ストリートチルドレン、学校に行けず飢餓に苦しむ子どもに衝撃をうけました。なぜなら、僕も同じ子どもで、地球やその国の未来は子どもにかかっていると思うからです。色々な形で「世界の飢餓と子ども」について、取材や追究を進めていくうちに、寄付やボランティアやフェアトレードでは、日常生活の中で一般の人が継続するのには難しい面もあるのではと思い始めました。その過程で、同じ地球上で、飢餓に苦しむ国と飽食で食料を捨てる国、の存在に大きな疑問を持つようになりました。そんな時、日本発のNPOでわずか5年足らずで、世界中にどんどん広まっている「TABLE FOR TWO」(TFT)という団体を知りました。世界人口70億人のうち、10億人が餓えに苦しむ一方で、10億人が飽食による肥満で苦しんでいます。TFTの基本的な仕組みは、先進国の人がカロリーを減らした健康的な一食を取ると、その工夫して浮いたお金20円で途上国の子どもの給食一食分に回す、という両方にとってプラスになる仕組みです。昨年2010年、TFTは爆発的に広まっていきました。APEC首脳会談の夕食に、TFTメニューが採用され、オバマ大統領も参加しました。日本でも、日本銀行をはじめ、多くの有名企業が積極的に社員食堂に取り入れ、大学生のボランティアの人も大勢が活躍して学食に取り入れています。レストランやコンビニもTFTに協力してメニューを開発し、キリン協賛によるTFT自販機も増えてきました。食事からの寄付だけでなく、さまざまな形で企業も協力するようになりました。楽天もレシピ投稿という形でネットでの協力を始めました。「一人の百歩より、百人の一歩」という誰にとっても身近で取り組みやすい新しい形の国際協力が始まっています。TFTは日常生活の中で、これから、誰もが、自然に、参加していくようになる国際貢献活動になっていくと思います。

    追究の歩み
2009年8月      東京    ユニセフハウス、広尾地球広場を訪問。
                     下北沢フェアトレード店を訪問、取材。
NGOハンガーフリーワールドを訪問、取材し、TFTのこと
も教えてもらう。
                     ※偶然広尾地球広場のカフェフロンティアで、TFTメニュー
                     の昼食を取る。
2009年10月           TFT事務局長 小暮真久著 「20円で世界をつなぐ仕事」を
                     読む。
                     ※TFTのHPやTFT事務局長ブログも読み始める。
2010年3月      名古屋  NNNドキュメント番組のTFT特集を観る。
                     ※最終追究テーマをTFTにしようと決める。
                     名古屋地球広場を訪問、取材。
TFTレストラン カフェクロスロードで試食、取材。
2010年8月      名古屋  日本国際飢餓機構を訪問、取材。
                       TFTレストラン 陳麻婆豆腐とモンマルトルで試食。
       東急ホテルでTFT事務局長の小暮さんの講演を聞く。
                                             これまでの追究活動レポートを小暮さんに渡す。
2010年9月            TFT事務局長ブログに僕のレポートが掲載される
2011年1月            東京のTFT事務所での修学旅行取材許可をもらう。
2011年3月      東日本  東日本大震災。
2011年4月            修学旅行先を東京から大阪に変更。
                     小暮さんから、新しい取材先として、毎日新聞大阪本社と
                     TFT大学連合関西支部代表の大阪市立大を紹介してもらう。

 追究していく中での疑問
今回の東日本大震災とTFT(国際協力)について思うことです。同じ日本人として、大震災はとても悲しいことでした。大震災以降、日本中から、世界中から、励ましの言葉や支援物資や義援金が、被災地に届けられています。避難所の人の話や生活する場面をテレビで見るたびに、「大変だな」、「何か助けたいな」と僕も思います。テレビの公共広告機構の「がんばろう日本」みたいなものや、外国放送でも有名人が「We are Tomodachi!」と言っているような放送がたくさん流れています。でも、同時にすごく疑問がわいてきました。世界人口70億人のうち10億人は、大震災の前も後も、変わらず同じように飢餓に苦しんでいます。ずっと以前から、とても悲惨な生活をしています。その10億人の人達への支援や国際協力も、ずっと以前からあるとは思います。でも、大震災の被災者の人達への今回の支援と、同じ位の支援の気持ちがその常に悲惨な世界の10億人に対してはあるのだろうかと感じてしまいました。日本人は、「同じ日本人だから身近に感じられてテレビからの情報が多いから」とか、世界の人は「日本が先進国で世界にとって経済的に必要な国だから」など、僕なりに考えてしまいました。普段は、国際協力に無関心だった人も、身近に大震災のような災害が起これば、行動するということでしょうか。僕自身も、たまたま日本に生まれただけで、今、日本で豊かな生活をしています。地球温暖化は、先進国の豊かな生活から引き起こされている面もあります。温暖化による干ばつで苦しむのは、飢餓で今苦しんでいる人達です。地球は、ひとつでつながっていて、未来は僕達子どものものです。同じ地球上にある国として、東北の被災者も飢餓に苦しむアフリカやアジアの子ども達にも、支援や応援を送るには、どうしたらいいだろうか、すぐに忘れ去られてしまわないようにするには、どうしたらいいだろうか、を新しく追究の視点に入れたいと思います。大阪での取材先は、「世界子どもキャンペーン」を33年前からしている毎日新聞社と、TFT大学連合関西支部代表として活躍している大学生の人達なので、一緒に考えてもらえたら、と思います。そして、そこから、3年間のまとめとして、僕なりに何か提案をしていけたらと思います。



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